桝本 卯平(読み)マスモト ウヘイ

20世紀日本人名事典 「桝本 卯平」の解説

桝本 卯平
マスモト ウヘイ

明治期の造船技師 第1回国際労働会議労働代表。



生年
明治6年(1873年)

没年
昭和6(1931)年4月10日

出生地
宮崎県那珂郡油津(現・日南市)

学歴〔年〕
東京帝大工科大学造船科〔明治31年〕卒

経歴
宮崎県油津(現・日南市)に旅館の子として生まれる。上京後、同郷の先輩である外交官小村寿太郎書生となり、東京帝大で造船を学ぶ。明治31年同大を卒業、駐米大使として赴任する小村に従って渡米、また英国にも渡り、約10年間造船場で働きながら造船技術を身につける。帰国後、三菱長崎造船所、鈴木商店播磨鳥羽造船所の技士長を務めた。大正8年第1回国際労働会議に労働代表として出席、日本産業界の低賃金・長時間労働を告発したが、政府の選定により選ばれた代表だったため、出発前に労働組合による激しい反対運動が起こった。晩年は教育論や労働問題について講演を行い、新聞社社長も務めた。著書に「産業立国主義と現代生活」の他、恩人である小村の伝記「自然の人 小村寿太郎」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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