梅枝(読み)ウメガエ

デジタル大辞泉 「梅枝」の意味・読み・例文・類語

うめがえ【梅枝】[巻名・曲名]

源氏物語第32巻の巻名。光源氏39歳。明石姫君明石の中宮)の裳着もぎ入内じゅだいの準備などを描く。
謡曲四番目物世阿弥作。管弦の役争いで討たれた楽人富士の妻の霊が、津の国住吉を訪れた僧に嘆きを語る。
箏曲そうきょく八橋検校が作曲した組歌のうち、表組おもてぐみに属す。別称千鳥の曲、嵐の曲。
催馬楽さいばら曲名りょの曲に属する。

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精選版 日本国語大辞典 「梅枝」の意味・読み・例文・類語

うめ‐が‐え【梅枝】

[1] 〘連語〙 梅の枝。
万葉(8C後)八・一四三六「含(ふふ)めりと言ひし梅我枝(うめガえ)今朝降りし沫雪にあひて咲きぬらむかも」
[2] 〘名〙
[一] 「源氏物語」第三二帖の名。光源氏三九歳の正月から三月まで。明石姫君の裳着から入内の決定、その用意をめぐる出来事などを描く。
[二] 謡曲。四番目物。各流。作者不詳。身延山の僧が住吉を訪れると、管弦の役を争って殺された富士という楽人の妻の亡霊が現われ、「越天楽」を奏する。「富士太鼓」は同材を扱った現在能。
[三] 浄瑠璃平仮名盛衰記」に登場する傾城の名。初めは腰元で千鳥といった。梶原源太景季の恋人。

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朝日日本歴史人物事典 「梅枝」の解説

梅枝

没年:永正2.11.7(1505.12.2)
生年:生年不詳
室町時代,三条西実隆仕女。30年間にわたって下女として仕え,実隆もその日記正直者と記している。しかし,永正2(1505)年11月,中風で死に瀕した際,死穢を恐れた実隆の手で今出川辺に出され,河原で朽ち果てて一生を終えた。<参考文献>原勝郎『東山時代に於ける一縉紳の生活』

(細川涼一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

普及版 字通 「梅枝」の読み・字形・画数・意味

【梅枝】ばいし

梅の枝。

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