梶 大介(読み)カジ ダイスケ

20世紀日本人名事典 「梶 大介」の解説

梶 大介
カジ ダイスケ

昭和・平成期の詩人,作家,山谷活動家



生年
大正12(1923)年12月

没年
平成5(1993)年11月14日

出生地
広島県呉市

出身地
福岡県八幡市(現・北九州市)

本名
北岡 守敏

経歴
四国の極貧農出身の流れの板前の子として小料理屋で生まれ、北九州市八幡の小学校卒業後、13歳で家出上京。小僧ぐらしを転々とする。17歳から5年間軍属、兵隊として南方、中国を転戦敗戦により、昭和21年に復員、上野の地下道ぐらしから山谷ドヤ街に入り、日雇労働者、屑拾いを主業としてどん底40年。この間、共同仕切り場の創設を求めて一粒会を結成、30年東都資源回収労組の執行委員長となる。32年「バタヤ物語」で作家としてデビュー、39年には月刊「さんや」を創刊し闘争を呼びかけた。43年の山谷暴動の際は扇動の疑いで取り調べを受け、連合赤軍事件のリーダーをかくまい犯人蔵匿の罪に問われたこともある。一貫して山谷の解放を目指すが、仲間たちと共に自立するため、57年には山谷を去り、自立のための拠点を静岡県松崎町に作る。自然卵養鶏と畑作に従事しながら山谷を支えるが、平成3年病に倒れ引退。他の著書に「地に堕ちた天使」「日本悲劇をたずねて」「粒ちゃんの灯」「山谷戦後史を生きて」(上・下)。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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