20世紀日本人名事典 「椎名 麟三」の解説
椎名 麟三
シイナ リンゾウ
- 生年
- 明治44(1911)年10月1日
- 没年
- 昭和48(1973)年3月28日
- 出生地
- 兵庫県飾磨郡会左村(現・姫路市)
- 本名
- 大坪 昇
- 学歴〔年〕
- 姫路中学中退,専検合格
- 経歴
- 中学中退後見習いコックなどを経、昭和3年宇田川電気電鉄部に見習い車掌として入社。車掌になってから組合運動をし、6年共産党員として検挙され、1年近く拘留される。後、新潟鉄工所に入社、文学書に親しむ。21年「深夜の酒宴」を発表して注目され、引続き「重き流れのなかに」「永遠なる序章」を発表、実存主義を基調とする戦後文学の代表的作家となる。25年頃思想的行詰りを感じたが、赤岩栄によって洗礼を受け、キリストによる思想的転回をみせ、30年「美しい女」で芸術選奨を受賞した。その他の主な作品に「深尾正治の手記」「赤い孤独者」「自由の彼方で」「神の道化師」「懲役人の告発」など。「椎名麟三全集」(全23巻 別巻1 冬樹社)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報