業・技(読み)わざ

精選版 日本国語大辞典 「業・技」の意味・読み・例文・類語

わざ【業・技】

〘名〙
① 深い意味や、重大な意図をもつ行為や行事。
万葉(8C後)九・一七五九「吾妻に 他(ひと)も言問へ 此の山を うしはく神の 昔より いさめぬ行事(わざ)ぞ」
② 意識的に何事かをすること。また、その行為。しわざ。おこない。
書紀(720)皇極元年二月(岩崎本訓)「塞上、恒に作悪(あしきワサ)す」
※伊勢物語(10C前)六四「昔をとこ、みそかに語らふわざもせざりければ」
③ 仏事。法要
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)六「我れ三宝を供養する事(ワザ)に財物を須ゐむとす」
④ 習慣化した行為で、目的をもつもの。仕事。つとめ。職業。
※書紀(720)敏達元年五月(前田本訓)「汝等の習(なら)ふ業(ワサ)、何の故か、就(な)らざる」
古本説話集(1130頃か)五〇「くれ、えもいはぬ大木ども、ただこの牛一つして、運ぶわざをなんしける」
⑤ できごと。事柄。物事のもつ深い事情や状態、次第などを問題にしていう。
※万葉(8C後)一九・四二一一「いにしへに 有りける和射(ワザ)の 奇(くす)しき 事と言ひつぐ」
技芸。技術。手段。腕前
古事記(712)中(古事記伝訓)「口鼓(くちつづみ)を撃(う)ち、伎(わざ)を為(な)して」
※高野本平家(13C前)九「風をふせぐたよりもなく、雨をもらさぬわさもなし」
⑦ 特に、相撲柔道剣道などで、勝敗を決める一定の型をもった技術、技法
姿三四郎(1942‐44)〈富田常雄〉巻雲の章「三四郎にはこの見事な業の判断もつかなかった」
⑧ わざわい。たたり。害。
※土井本周易抄(1477)二「いづれに天下にわざある程に事とよませたぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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