榎・朴(読み)えのき

精選版 日本国語大辞典 「榎・朴」の意味・読み・例文・類語

え‐の‐き【榎・朴】

〘名〙
ニレ科の落葉高木。各地の山野に生え、道路わきなどに植えられる。高さ二〇メートル、径一メートルになる。樹皮は黒褐色を帯び、灰色の斑点がある。葉は長さ四~八センチメートルの卵形か広楕円形で左右不同。柄があり、先はとがる。春、淡黄色の小さな単性花を開く。果実は径約七ミリメートルで九月頃黄赤色に熟し、食べられる。木材はやや堅く、挽物(ひきもの)細工、薪炭の材料。若葉はゆでて食用とする。漢名、朴樹。え。えのみのき。よのき。めむくのき。
▼えのきの花《季・夏》
▼えのきの実《季・秋》
書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓)「是に、大連、衣揩の朴(エノキ)の枝間(また)に昇りて、臨み射ること雨の如し」
② ①を一里塚しるしとして植えたもの。慶長九年(一六〇四)二月、江戸日本橋を起点として、諸国への里程を定め、東海道ほか諸街道に一里塚を築いた時に植えた。
※雑俳・柳多留‐二(1767)「落武者は榎をうへぬ道をにげ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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