20世紀日本人名事典 「橘 孝三郎」の解説
橘 孝三郎
タチバナ コウザブロウ
昭和期の農本主義者
- 生年
- 明治26(1893)年3月8日
- 没年
- 昭和49(1974)年3月30日
- 出生地
- 茨城県水戸市
- 学歴〔年〕
- 一高文科乙類〔大正4年〕中退
- 経歴
- 地主の父市五郎は茨城県内で有数の資産家。旧制一高在学中、農村改革を志し中退。郷里に帰って兄弟と農業に従事。昭和2年ごろから農村を講演して回り、理想の農村を目指して後藤成卿、林正之らの協力で4年愛郷会を設立、月刊「農村研究」を発行。また茨城県内に24支部500人の農民を集め小農経営に努めた。5年「農村学前編」を著す。6年には愛郷会を愛郷塾とし塾長となったが経営不振。7年血盟団の井上日召を知って右翼運動家に転進し、5.15事件に参加、東京周辺の変電所爆破を図ったが失敗。満州に逃げたが自首し、9年無期懲役。15年恩赦で出獄、愛郷塾再興を図って農民運動に復帰した。著書に「愛国革新主義」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報