機関リポジトリ(読み)きかんりぽじとり(英語表記)institutional repository

図書館情報学用語辞典 第5版 「機関リポジトリ」の解説

機関リポジトリ

大学や研究機関が主体となって所属研究者の知的生産物を電子的に収集蓄積,提供するシステム,またそのサービス.学術機関リポジトリともいう.収集対象および範囲は,各リポジトリの方針により,査読済み学術雑誌論文からプレプリント教材,美術資料など多岐にわたる.研究成果の投稿機能,管理・保存機能,検索機能に加え,相互運用を可能とするOAI-PMHを実装することが一般的である.実際の学術情報の収集と公開の促進に関しては,リポジトリを設置する機関の図書館が中心となり業務を行っているケースが多い.大学などの学術機関による研究成果の情報発信機能を担うものとして期待されるほか,オープンアクセスを実現する仕組みとしても注目されている.国際的な商業出版社や学協会も機関リポジトリへの学術論文のセルフアーカイビングを許可する傾向にある.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

大学事典 「機関リポジトリ」の解説

機関リポジトリ
きかんリポジトリ

大学その他の研究機関において,その構成員が創造した知的生産物をデジタル化し,電子資料として収集,蓄積し,所属研究者に提供する一連のサービスのことであり,学術機関リポジトリともいう。機関リポジトリは国の内外で設置され,その多くは研究成果共有のために公開されている。学内における研究成果を保存する機関のひとつである大学図書館が,そのとりまとめ役を果たしている例が多い。収集対象は各リポジトリの方針によって異なり,多様である。学術雑誌論文(査読済みあるいは査読を経ていないプレプリント)大半であるが,教材などもみられる。NII(National Institute of Informatics:国立情報学研究所)では,各大学における機関リポジトリの構築とその連携を支援しており,2012年度から共用リポジトリサービス,JAIRO Cloud(Japanese Institutional Repositories Online Cloud)を運用開始している。2017年5月の時点で,JAIRO Cloud導入機関数は,公開中,公開準備中,申請中の機関を含めて507機関である。
著者: 阪田蓉子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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