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次世代スーパーコンピューター「京」 じせだいすーぱーこんぴゅーたーけい

知恵蔵の解説

次世代スーパーコンピューター「京」

文部科学省が推進し、独立行政法人理化学研究所と富士通株式会社が共同で開発中のスーパーコンピューター。「京」は1兆の1万倍を表す数字であり、情報の単位であるテラ(T)の次の単位ペタ(P)で表すと10ペタ。演算速度10ペタフロップス(PFLOPS) (毎秒1京回)を達成することを目標に命名された。
文部科学省は、「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」の構築を主導するコンソーシアムを発足させており、HPCIは、2012年11月に「京」と全国の主要なスーパーコンピューターをネットワークで結び、データの共有や共同分析ができることを目指している。
「京」はスーパーコンピューターの性能比較プロジェクトとして有名なTOP500リストで採用されているベンチマークテスト「LINPACK」で、世界最高性能の8.162ペタフロップスを達成。11年6月にドイツで開催された国際スーパーコンピューティング会議において、TOP500リストの第1位を獲得した。なお、計測時は8コアのプロセッサ6万8544個を672台の筐体(きょうたい)で連携させた開発途中の構成であり、性能値は命名の由来となる10ペタには届かなかった。しかし、昨年1位で今回2位だった中国のスーパーコンピューターの3倍以上の値となっている。
ちなみに、「京」の開発は、09年に政府の事業仕分けで「世界2位ではだめなのか」などの意見が出て事実上の凍結を求められた。しかし、その後「世界一を目指す意気込みでやらないと、2位にも3位にもなれない」と大学学長やノーベル賞受賞者らが見直しを訴え、完成時期を延長するなどして開発継続が認められたという経緯がある。

(横田一輝  ICTディレクター / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報