歌披講(読み)うたひこう

精選版 日本国語大辞典 「歌披講」の意味・読み・例文・類語

うた‐ひこう ‥ヒカウ【歌披講】

〘名〙
和歌詞句に節を付けて吟詠すること。
歌会で、一定作法形式に従って歌を節づけして披露すること。また、その人。起源は、少なくも平安中期まではさかのぼれる。現代新年歌御会始めに、勅題選歌を披露する行事として残っている。和歌披講。披講。
八雲御抄(1242頃)二「御製読師歌披講畢」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「歌披講」の意味・読み・例文・類語

うた‐ひこう〔‐ヒカウ〕【歌披講】

一定の作法・形式に従って、和歌を節づけして披露すること。平安中期から行われ、現在も新年の歌会始め勅題の選歌を披露する行事として残っている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歌披講」の意味・わかりやすい解説

歌披講
うたひこう

歌会で和歌を披露すること,またその形式。一定の作法と,一定の音楽的曲節で和歌を朗詠するもので,平安時代から行われ,現在も宮中歌会始にみられる。講師 (1人) ,発声 (1人) ,講頌 (数人) という歌い手によって歌われ,その旋律型には甲調,乙調,上甲調の3種がある。綾小路 (二条) ,冷泉の2流がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の歌披講の言及

【講師】より

…なお古代・中世には,国分寺におかれた僧官名を講師または国師と称した。(2)歌披講(うたひこう)(歌会・歌合せ)で詩歌を朗詠し披露する役の人。独特の節まわしで旋律的に朗唱する。…

【読師】より

…地味な役割であるが,大規模な法要では講師と同様に輿(こし)で入場するほど重視されている。また宮中における歌会始の歌披講(うたひこう)の読師は式の進行役を務め,講師が和歌を詠ずる。【高橋 美都】。…

※「歌披講」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android