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仏教の守護神。サンスクリット名ガナパティGaapatiあるいはビナーヤカVināyakaの訳で、大聖歓喜自在天(だいしょうかんぎじざいてん)、聖天(しょうでん)ともいう。もとはインド神話の神であり、ヒンドゥー教のシバ神とその妃パールバティーの子で象頭人身の神ガネーシャGaeśaに相当し、智慧(ちえ)と財福の神とされる。ガナパティまたはガネーシャとは、シバ神の眷属(けんぞく)の長という意味。形像には単身像と夫婦が相擁した双身像がある。ビナーヤカ(毘奈夜迦)もシバ神の眷属で、元来人間に障害をなす鬼類であったが、その長である歓喜(ナンディンNandinあるいはナンディケーシュバラNandikeśvara)に観音菩薩(かんのんぼさつ)が女身をとって近づいて夫婦となり、そのかわりに以後は人間の障害を除く神に転ぜしめたといい、それが双身像の由来とされる。今日でも財宝、夫婦和合の神とされ、歓喜おだん(菓子)や蘿蔔(らふく)(ダイコン。歓喜天の象徴物)を供え、浴油して智慧や財富や地位の獲得を祈る聖天供(しょうでんぐ)または聖天法が修される。奈良の生駒(いこま)聖天(宝山寺(ほうざんじ))は有名。
[津田眞一]
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…江戸初期の戒律復興宗学振興の気風をうけて密教を学び,戒律を修め,諸方を遍歴ののち,生駒山般若窟に入り一寺を開いて初め大聖無動寺と号した。不動明王,歓喜天(聖天)を安置し,不動護摩や聖天法などの修法を重ね,数多の法験を現した。みずからも仏像彫刻や仏画を手がけ,とくに不動明王の彫刻に秀作を残している。…
…サンスクリット名のナンディケシバラNandikeśvaraの漢訳名を大聖歓喜天といい,その略称。歓喜天,天尊などともいう。…
※「歓喜天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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