止・已・罷・辞(読み)やめる

精選版 日本国語大辞典 「止・已・罷・辞」の意味・読み・例文・類語

や・める【止・已・罷・辞】

〘他マ下一〙 や・む 〘他マ下二〙
① 続いてきた、ある動作、作用、状態を途絶えさせる。
書紀(720)安康即位前・歌謡大前 小前宿禰が 金戸蔭 斯く立ち寄らね 雨立ち夜梅(ヤメ)む」
徒然草(1331頃)一四二「上のおごり費す所をやめ、民を撫で農をすすめば」
② 特に、就いていた職・地位などを退く。また、職業などから手を引く。
※天草本伊曾保(1593)鳥と獣の事「トリモ、ケダモノモ ギヘイヲ yamete(ヤメテ)、〈略〉ヒロイ ノベニ デヤウテ サンクヮイ シタ」
※三体詩素隠抄(1622)二「薛能が、徐州節度を、やめて、許州の忠武城を、鎮守して、居たる時分
③ これからしようとしていたことを中止する。
平家(13C前)六「いさめ申しかば、殿にいるる事をやめられけるには」
④ 病気や癖などをなおす。
落窪(10C後)二「医師(くすし)なり。御病もふとやめ奉りて」
源氏(1001‐14頃)蜻蛉「いかでかかる御癖やめ奉らん」
⑤ 雨などが降り終わるのを待つ。
※咄本・笑長者(1780)白雨「にわかに夕だちする。〈略〉権兵衛、まづここのみせをかりてやめやう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android