止・留・泊(読み)とまり

精選版 日本国語大辞典 「止・留・泊」の意味・読み・例文・類語

とまり【止・留・泊】

〘名〙 (動詞「とまる(止)」の連用形の名詞化)
[一] (止・留)
① とまること。また、そのところ。とどまり。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 最後に落ち着くところ。終わり。果て。しまい。決着
古今(905‐914)秋下・三一一「年ごとにもみぢばながす龍田がはみなとや秋のとまりなるらん〈紀貫之〉」
③ 最後まで連れ添う人。終生を託する相手。本妻。
源氏(1001‐14頃)帚木「この人をとまりにとも思ひとどめ侍らず」
[二] (泊)
① 船が停泊すること。また、そのところ。船着き場。港。津。
万葉(8C後)二・一二二「大船の泊(は)つる登麻里(トマリ)のたゆたひに物思ひ痩せぬ人の子ゆゑに」
② 宿泊すること。また、その場所。宿屋
山家集(12C後)上「旅まかりけるとまりにて 飽かずのみ都にてみし影よりも旅こそ月はあはれなりけれ」
③ 宿泊する旅人。泊まり客。遊里で一切(ひときり)遊びでなく、長時間の泊まり客などにもいう。
※浮世草子・好色一代女(1686)六「口ばかり養はれて其替りに泊(トマ)り留てやる事なり」
④ 宿泊の料金。
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一五「宿銭(トマリ)も例より廉(やす)くして呉るれば」
宿直すること。
道草(1915)〈夏目漱石〉五「昨夕も宿直(トマリ)でね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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