精選版 日本国語大辞典 「此・是・之・維・惟」の意味・読み・例文・類語
これ【此・是・之・維・惟】
[1] 〘代名〙
① 事物についてさし示す。眼前の事物ばかりでなく、話題の事物をもさす。
※土左(935頃)承平五年二月九日「ここにひとびとのいはく、これ、むかしなだかくきこえたるところなり」
④ 話し手および相手が現に存在する時をさし示す。いま。現在。
※落窪(10C後)四「これよりまれ出で立ち給へ。京におはせん限りは見奉らむ」
[二] 自称。話し手自身をさし示す。わたくし。自分。
※多武峰少将物語(10C中)「いとうれしう問はせ給へるなむ。つれづれなるに、これよりこそ聞えまほしけれど」
[三] 対称。相手をさしていう。あなた。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「山の主(あるじ)、大きに驚きて『これは何ぞの人ぞ』、俊蔭答ふ、『清原の俊蔭』」
※続日本紀‐神護景雲元年(767)八月一六日・宣命「瑞書に細勘(くわしくかんがふる)に是即景雲に在」
② 発語の辞など。①を転用したもの。
※江都督納言願文集(平安後)二・六十御賀擬作「維月維星皆為レ楽況於二吾身一。寿也孝也誰不レ賀、況於二一人一乎」
[2] 〘感動〙
② 民謡などのはやしことば。
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