死と乙女(読み)しとおとめ

精選版 日本国語大辞典 「死と乙女」の意味・読み・例文・類語

しとおとめ シとをとめ【死と乙女】

(原題Der Tod und das Mädchen)
[一] 歌曲シューベルト作曲。一八一七年作。クラウディウスの詩を歌詞とし、死を恐れる少女死神対話形式をとる。
[二] 弦楽四重奏曲。シューベルト作曲。一八二四年作。二年後さらに改作された。第二楽章の変奏の主題に(一)の旋律が使われている。マーラー管弦楽曲編曲

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デジタル大辞泉 「死と乙女」の意味・読み・例文・類語

しとおとめ〔シとをとめ〕【死と乙女】

《原題、〈スペイン〉La muerte y la doncellaドルフマン戯曲。1991年初演。独裁政権下で過酷な拷問を受けた女性が、十数年後の民主政権下で自分を拷問した相手を偶然見つけ、復讐を試みる。1994年、ロマン=ポランスキー監督により映画化。
《原題、〈ドイツ〉Der Tod und das Mädchenシューベルト作品
歌曲。1817年作曲。M=クラウディウスの詩に基づく。病に伏せる乙女と死神との対話を描いたもの。
弦楽四重奏曲第14番の通称。1824年の作。全4楽章。第2楽章の主題に1コラールを用いている。すべての楽章が短調で書かれた作品として有名。

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デジタル大辞泉プラス 「死と乙女」の解説

死と乙女〔絵画〕

オーストリアの画家エゴン・シーレ絵画(1915)。原題《Tod und Mädchen (Mann und Mädchen)》。シーレ自身と恋人ヴァリーがモデルとされる死神と若い女性を、不安を掻き立てる荒々しいタッチで描いたもの。28歳で夭折したシーレの代表作の一つとして知られる。ウィーン、オーストリア美術館所蔵。

死と乙女〔曲名〕

オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトの歌曲D531(1817)および弦楽四重奏曲第14番D810(1824)。原題《Der Tod und das Mädchen》。マティアス・クラウディウスの原詩に基づく。病床の乙女と死神との対話を描いたもの。

死と乙女〔戯曲〕

1991年初演のアリエル・ドーフマンによる戯曲。原題《Death and Maiden》。ピノチェト独裁政権後のチリを舞台に、拷問や虐待を受けた女性の憎しみと葛藤を描いた作品。1992年に第16回ローレンス・オリヴィエ賞(新作演劇賞)を受賞。

死と乙女〔小説〕

赤川次郎の長編ミステリー。1995年刊行。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「死と乙女」の意味・わかりやすい解説

死と乙女
しとおとめ
Der Tod und das Mädchen

(1) F.シューベルトの歌曲,op.7,No. 3。 1817年作。 M.クラウディウスの詩による。 (2) シューベルトの弦楽四重奏曲,No.14,1824年作。 (1) の旋律が第2楽章 (変奏曲) の主題に用いられているためこの名がある。

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