普及版 字通 「殯(漢字)」の読み・字形・画数・意味
殯
18画
[字訓] かりもがり
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(賓)(ひん)。に賓迎・賓送の意がある。死者に対する殯送の礼をいう。〔説文〕四下に「死して棺に在り。將(まさ)に柩にさんとして、之れをす。(がつ)に從ひ、に從ふ。は亦聲なり」とし、また「夏后は階(そかい)(主人の階)に殯し、殷人は兩楹(えい)(の柱)のに殯し、人は階に殯す」という〔礼記、檀弓上〕の文を引く。殯礼の次第は、〔儀礼、士喪礼〕に詳しい。殯礼が終わって、死者ははじめて賓として扱われる。卜辞に、祖霊を祭るとき「王、す」と賓迎の礼を行うことをいう。〔詩、秦風、小戎〕は武将の死を弔う葬送の曲で、板屋に殯葬することを歌う。「かりもがり」は本葬以前に、屍の風化を待つ礼で、板屋に収めてその風化を待ったのであろう。殯礼は、古く複葬の形式が行われたことを示すものである。
[訓義]
1. かりもがり、かりもがりする。
2. さしおく、おく。
3. 賓と通じ、むかえる、おくる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕殯 ハブル 〔立〕殯 ヤラフ・ヲフ・ムナシ・シス・ハフル
[語系]
殯・・・擯pienは同声。は賓主相対する語。賓迎・賓送の意があり、生死の関係を含む語である。の字形は、所に犠牲や貝を供える形。濱(浜)も同声。bien、邊(辺)pyen、(墳)biunなどみな死葬に関する字で、すべてその系統の語であろう。
[熟語]
殯階▶・殯棺▶・殯宮▶・殯柩▶・殯祭▶・殯喪▶・殯葬▶・殯天▶・殯表▶・殯▶・殯埋▶・殯斂▶・殯▶
[下接語]
帷殯・棺殯・帰殯・朽殯・柩殯・虞殯・告殯・哭殯・喪殯・卒殯・黜殯・停殯・覆殯・祓殯・埋殯
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報