殴・擲(読み)なぐり

精選版 日本国語大辞典の解説

なぐり【殴・擲】

〘名〙 (動詞「なぐる(殴)」の連用形の名詞化)
① 殴ること。手や拳で強く打ちたたくこと。
黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一「親不孝は云っても聞かん、打擲(ナグリ)でもしなけりゃ」
② 仕事などをぞんざいに行なうこと。なげやりにすること。
③ 木材を手斧(ちょうな)でけずって凹凸のあるように仕上げること。手斧目削り。

なぐ・る【殴・擲】

〘他ラ五(四)〙
① 横ざまに打つ。たたく。力をこめて打つ。ぶつ。ぶんなぐる。
浄瑠璃国性爺合戦(1715)千里が竹「二人をめがけ嘷(いどみ)かかるを事共せず、ゆん手になぐりめ手に受」
② なげやりにする。手抜きをする。ごまかす。
※絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「是程式のことは左の手でもするとなぐりたり、あましたりせず」
③ 風・雨・雪などが横ざまに身を打つ。
雑俳柳多留‐一〇(1775)「棒組よお願ひ申せなぐるぞよ」
④ (行為のあと相手の女性を殴っておくとあとくされのないというところから転じて) 性交する。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)三「かた手ほどなぐったつらで朝帰り
⑤ 動詞連用形に付いて補助動詞的に用い、粗暴にする意を表わす。「いいなぐる」「書きなぐる」など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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