殻・骸(読み)から

精選版 日本国語大辞典 「殻・骸」の意味・読み・例文・類語

から【殻・骸】

〘名〙 (「から(空)」と同語源)
① 貝などの動物や、草木の実などの外部をおおっている固いもの。中身を取り去ったあとに残る固い皮。「卵のから」
※観智院本三宝絵(984)上「貝の柄を取て海の水を汲むと誓ふ心の実となるに」
徒然草(1331頃)六九「豆のからを焚きて」
② 比喩的に用いて、自分の世界を守る外壁やその世界をいう。「からを守る」
※大道無門(1926)〈里見弴影法師「自分一(ひと)りの殻を護って」
③ 動物や昆虫などが脱皮したあとに残る皮。もぬけのから。ぬけがら
古今(905‐914)哀傷・八三一「空蝉(うつせみ)はからを見つつもなぐさめつ深草の山けぶりだに立て〈勝延〉」
④ (骸) 魂が抜け去ったあとに残る肉体。なきがら。むくろ。死骸
※古今(905‐914)物名・一一〇二「かけりても何をかたまのきても見んからは焔となりにしものを〈藤原勝臣〉」
⑤ (骸) からだの大きさ。体格。からだつき。また、人の外見全体をいう。
※玉塵抄(1563)一四「孔子のなりからが陽虎に似たぞ」
⑥ 中身がなくなって、用済みになった入れ物
浮世草子好色一代女(1686)四「菓子杉重(すぎぢう)のからまでも取集て」
⑦ (かなで書かれることが多い) 豆腐を作る際に出るかす。おから。きらず。
※洒落本・六丁一里(1782)少年国「食物は、こんにゃく。から。ぼうだら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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