家庭医学館 の解説
ぼはんさいぼうぼはんしきそせいぼはんほくろくろあざ【母斑細胞母斑(色素性母斑/ほくろ/黒あざ) Nevocellular Nevus, Nevus Cell Nevus】
俗に「ほくろ」「黒あざ」と呼ばれているのが、母斑細胞母斑です。メラニン色素をつくる細胞が、皮膚で異常に増えてできます。色は、褐色から黒色で、境界がはっきりし、大きさ、形はさまざまです。盛り上がっていることも、平らなこともあります。表面はなめらかなことも、でこぼこのこともあります。
平らで大きいもの(黒あざ(「母斑細胞母斑(色素性母斑/黒あざ/ほくろ)」))は、先天性のことが多く、後天性のものは、通常、小さくて隆起しています(ほくろ)。表面に毛が生えている有毛性母斑(ゆうもうせいぼはん)や、からだの広い範囲に有毛性色素斑ができる獣皮様母斑(じゅうひようぼはん)などもあります。
先天性の巨大な母斑細胞母斑は、そこに悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)(ほくろのがん)ができることが多いため、注意が必要です。それ以外の母斑細胞母斑から悪性黒色腫ができることはまれです。しかし、色素斑が急に大きくなったり、出血したり、潰瘍(かいよう)ができたりしたときは、悪性黒色腫の初期である可能性があります。早めに皮膚科の専門医を受診してください。
[治療]
大きさや部位によって、治療法は異なります。悪性化する可能性や美容上の問題がなければ、放置します。治療の基本は切除です。大きい場合は植皮術をします。電気凝固(でんきぎょうこ)やレーザー照射をすることもあります。