民間委託(読み)みんかんいたく

知恵蔵 「民間委託」の解説

民間委託

国や地方自治体が事務事業を直接処理せず、民間業者に委託して行うこと。政府公共部門が、民間市場部門からサービスを購入する形態の1つ。小さな政府への一方策。文化施設・体育施設・コミュニティー施設など公の施設の管理、本庁舎などの清掃警備し尿ごみ収集、コンピューター情報処理など、専門性・反復性の高いものに多い。行政サービスが効率化され、民間の先進的な技術や知識も活用できる。しかし、行政責任確保、公正さが失われる恐れ、秘密保護などの点で問題があるとの指摘もある。指定管理者制度の導入によって拡大している。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民間委託」の意味・わかりやすい解説

民間委託
みんかんいたく

自治体の業務を民間に委託して行うこと。自治体業務に民間の資金,技術を導入することで事務処理の効率化や専門技術の向上,コスト削減をはかろうというもので,庁舎の清掃や警備,給与税金のコンピュータ処理,ごみ屎尿 (しにょう) の収集運搬,学校給食水道のメータ検針,公共施設の管理,あるいは都市開発など多方面にわたっている。効率的経営を行う方向として評価される反面,その範囲が社会福祉や社会教育,都市開発にまで広がる傾向にあることから,本来の行政責任をどこまで達成できるのかを危ぶむ声もきかれる。

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