20世紀日本人名事典 「江上 不二夫」の解説
江上 不二夫
エガミ フジオ
昭和期の生化学者 三菱化成生命科学研究所名誉所長;名古屋大学名誉教授;元・日本学術会議会長。
- 生年
- 明治43(1910)年11月21日
- 没年
- 昭和57(1982)年7月17日
- 出生地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学理学部化学科〔昭和8年〕卒
- 学位〔年〕
- 理学博士〔昭和17年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 日本化学会賞〔昭和28年〕,朝日賞(昭41年度)「リボヌクレアーゼT1に関する研究」,毎日出版文化賞〔昭和42年〕「生命を探る」,日本学士院賞〔昭和46年〕「リボヌクレアーゼに関する研究」
- 経歴
- 昭和9年から3年間フランスに留学。帰国後、東大を経て、名大に移り、18年教授に就任。33年東大教授となり、43年埼玉大学教授兼任。46年自らの肝入りで新設された三菱化成生命科学研究所所長となり、“生命の起源”の研究に打ち込む。また、41〜47年日本学術会議会長を務めたほか、日本化学会会長、日本生化学会会長を歴任。52年からはオパーソン博士の後を継いで国際生命の起源学会会長も務めた。この間、32年に市販のタカジアスターゼからリボヌクレアーゼT1を分離・精製し、RNAの1次構造の研究に役立つ可能性を指摘した。主著に「生体の化学」「生物化学概説」「生化学研究の進み方」「核酸および核蛋白質」「生命を探る」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報