江府(町)(読み)こうふ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「江府(町)」の意味・わかりやすい解説

江府(町)
こうふ

鳥取県南西部、日野郡にある町。1953年(昭和28)江尾(えび)町と神奈川(かながわ)、米沢(よねざわ)の2村が合併して成立。1954年日光(にっこう)村の一部を編入。JR伯備(はくび)線、国道181号、482号が通じ、米子自動車道江府インターチェンジがある。日野川に沿う中心の江尾は戦国末期は尼子(あまご)方の城下で、江戸時代は日野往来宿場町、番所所在地であった。明治以後は谷口集落として発達した。現在は町役場、江府町歴史民俗資料館などがある。大山(だいせん)南西麓(ろく)には草地造成による牧場があり、裏大山南麓に休暇村奥大山や、旧木地師(きじし)集落御机(みづくえ)、下蚊屋(さがりかや)がある。県指定の天然記念物には武庫(むこ)の七色ガシ、下蚊屋明神のサクラ、俣野(またの)の熊野神社社叢(しゃそう)、県の無形民俗文化財には、江尾のこだいぢ踊、下蚊屋の荒神神楽(こうじんかぐら)などがある。中国電力俣野川発電所は、岡山県側旭川(あさひがわ)水系から日野川水系俣野川の俣野川ダム(下池(しものいけ))に導水し、最大出力120万キロワットの揚水発電で1985年に完成した。面積124.52平方キロメートル、人口2672(2020)。

[岩永 實]

『『江府町史』(1975・江府町)』


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