日本大百科全書(ニッポニカ) 「池田(香川県)」の意味・わかりやすい解説
池田(香川県)
いけだ
香川県北部、小豆郡(しょうずぐん)にあった旧町名(池田町(ちょう))。現在は小豆島町(しょうどしまちょう)の西部にあたる一地区で小豆島の南西部を占める。1929年(昭和4)町制施行。1954年二生(にぶ)村、三都(みと)村と合併。2006年(平成18)内海(うちのみ)町と合併し、小豆島町となる。主として花崗(かこう)岩からなる山地が海岸に迫り、平地に乏しい。1976年の台風17号による集中豪雨では花崗岩の風化したマサ土が崩れ、土石流災害で多数の死者を出した。高松との間にはフェリーが就航する。国道436号が通じる。手延べそうめんの主産地で、その歴史は古く約400年といわれる。花卉(かき)栽培も盛んで、1950年電照ギクの試作に成功し大産地を形成する。
文化財には農村歌舞伎(かぶき)(県指定無形民俗文化財)の演じられる中山農村歌舞伎舞台(国指定重要有形民俗文化財。春日(かすが)神社境内)や明王寺釈迦(しゃか)堂(国指定重要文化財)などがあり、誓願寺のソテツ、皇子神社社叢(しゃそう)(ウバメガシなど)は国の天然記念物。山間部には石造の猪垣(ししがき)も残る。
[新見 治]
『『池田町史』(1984・池田町)』