面目無(読み)めんぼくない

精選版 日本国語大辞典 「面目無」の意味・読み・例文・類語

めんぼく‐な・い【面目無】

〘形口〙 めんぼくな・し 〘形ク〙 恥ずかしくて人に合わせる顔がない。世間顔向けができないほど恥ずかしい。めんもくない。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「みためにもめんぼくなくこそは」
曾我物語(南北朝頃)三「『さん候、上よりの御つかひ』とばかりいひて、めんぼくなき事なれば、左右なくいひもいださず」
めんぼくな‐が・る
〘他ラ五(四)〙
めんぼくな‐げ
〘形動〙
めんぼくな‐さ
〘名〙

めんぼく‐な【面目無】

(形容詞「めんぼくない」の語幹) 恥ずかしくて、人に合わせる顔がないこと。感動表現に用いる。
※車屋本謡曲・松山鏡(1539頃)「子ながらも、是ほど母に似せるよと〈略〉父は涙にかきくれてや、我こそはくもらす水、面目なの鏡や」

めんもく‐な・い【面目無】

※開化問答(1874‐75)〈小川為治〉二「今更なんとも恐入面目(メンモク)ない次第でござる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android