河合 浩蔵(読み)カワイ コウゾウ

20世紀日本人名事典 「河合 浩蔵」の解説

河合 浩蔵
カワイ コウゾウ

明治〜昭和期の建築家



生年
安政3年1月24日(1856年)

没年
昭和9(1934)年9月6日

出生地
江戸・本所松倉町

学歴〔年〕
工部大学校造家学科卒

経歴
明治15年工部大学校に学び、コンドルの指導を受け卒業。在学中より野口幽谷について漢画を学び、篆刻家でもあった。工部省に入り、明治19年妻木頼黄・渡辺譲ら二等技師とベックマン貸費留学生の加藤正太郎らの職工などと共にドイツに留学して、西洋建築学を学ぶ。ベルリンのベックマン邸でグロートからドイツ語を習い同時留学の青年職工らの通訳・監督に当たった。帰国後、21年司法省建築主任となり同省舎(28年竣工)を建築、29年大阪控訴院、33年神戸地裁などの造営に当たり、一貫してドイツ風建築を設計した。この間、21年造家学会(のちの日本建築学会)創立に参加、米国建築学会規約を翻訳、滝大吉と共に規約書案を作成するなど尽力し、理事を務める。退官後、38年〜昭和2年神戸で建築事務所を開業し民間建築界の発展に貢献した。ほかの作品に奈良ホテルなどがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android