注文・註文(読み)ちゅうもん

精選版 日本国語大辞典 「注文・註文」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐もん【注文・註文】

〘名〙
① 注進の文書。注進状。
※石清水田中家文書‐延久四年(1072)九月五日・太政官牒「国司解状作田陸町玖段参佰歩不注子細、本寺注文云、件処神境東四至内也」
② ある事柄についての要件を列記した文書。書き付け。記録。
吾妻鏡‐寿永元年(1182)五月二五日「副進所課注文一通。右、住僧寺謹言上、倩案」
③ (━する) あつらえること。品種・数量・形式などを指定して、製作・送付・購入などを依頼すること。また、その依頼。
庭訓往来(1394‐1428頃)「燈台・火鉢蝋燭台、雖註文進也」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「ふる着やへちうもんして小うめとうざんの二タ子をり」
④ あつらえるものの条件。製作や送付を依頼する場合、あらかじめ申し送る希望。また、その文書。
※朝鮮板伊路波(1492)「そのときつかい候べきもののちうもんあるべく候」
⑤ (━する) こうしたい、ああしたいと望むこと。願望。期待。
洒落本・卯地臭意(1783)「今日は昼から、新たしろが所で、伊勢喜の伴頭が壱ッ斤はり出したから、おごりといふ注文(チウモン)よ」
⑥ 特に注意すべき事柄。特徴。
※歌舞伎・杜若艷色紫(1815)大切「『そんならこなさんの落した煙管であらうぞえ。マア、註文(チウモン)を云って見ねえ』『〈略〉わしが煙管は吸ひ口が噛みひしゃいであります』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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