精選版 日本国語大辞典 「洎夫藍」の意味・読み・例文・類語
サフラン【洎夫藍】
〘名〙 (saffraan 元来アラビア語)
① アヤメ科の多年草。南ヨーロッパ・小アジア地方原産で、薬用植物として日本では文久四年(一八六四)ごろから栽培されるようになった。高さ約一五センチメートル。地下に径約三センチメートルの鱗茎がある。茎は短く葉とともに基部は葉鞘(ようしょう)に包まれており、葉は細い線形で、花後に生長し、秋、若い葉間に芳香のある淡紫色で漏斗状の花が開く。花被片は六枚で、細長い花筒がある。雌しべの柱頭は橙赤色で先は三本に分かれ長く下垂する。漢名、番紅花。〔日本植物名彙(1884)〕
② ①を乾燥したもの。健胃・通経・鎮痙(ちんけい)薬とし、菓子や食品の黄色着色料などにも使われる。〔大和本草附録(1715)〕
[補注]②は一八世紀から蘭学書に多く用例が見える。「洎夫藍」は中国語の音訳を借用したもの。
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