津山検校(初代)(読み)つやまけんぎょう

朝日日本歴史人物事典 「津山検校(初代)」の解説

津山検校(初代)

没年天保7.3.6(1836.4.21)
生年:生年不詳
江戸後期の地歌三弦家。名古屋から大坂へ出て活躍。名は慶之一。豊賀四度,中川勾当の名を経て検校となる。文化年間(1804~18)ごろに野川流長歌40番,番外10番を制定。現在「津山撥」の名で三味線に用いられている,先端が薄くなった大型の撥を創始した。「江戸土産」を松島検校と共作,「道中双六」を改調するなど,地歌の作曲も行う。「黒髪」の演奏を得意とし,その歌い方は津山節といわれたという。しかし『摂陽奇観』(1833)には三味線本手の伝授を受けていないことが欠点であると記されている。津山検校の名はその後大正期の5代目まで続く。寛延~天明期ごろ(18世紀後半)に京都で活躍した地歌三弦家の津山検校富一別人である。

(千葉優子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「津山検校(初代)」の解説

津山検校(初代) つやまけんぎょう

?-1836 江戸時代後期の地歌三味線家。
大坂にでて,豊賀四度(とよが-しど),中川勾当(こうとう)をへて寛政7年検校となる。野川流長歌五十番の制度をさだめ,京撥(きょうばち)を改良して大型の津山撥を創始。天保(てんぽう)7年3月6日死去。尾張(おわり)(愛知県)出身。名は慶之一。代表作に「江戸土産」。

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