洪 秀全(読み)こうしゅうぜん

旺文社世界史事典 三訂版 「洪 秀全」の解説

洪 秀全
こうしゅうぜん

1813〜64
清末期,太平天国の指導者
広東 (カントン) 省の客家 (はつか) 出身。長じて科挙 (かきよ) に応じ3度も落第失意病床で天啓を得,キリスト教的結社上帝会を創始し,指導者となった。人間の平等を説く宗旨は,貧農・客家の支持を得て地主官憲との対立を生じた。1851年上帝会を中心に,広西 (カンシー) 省金田村で挙兵,同年太平天国と称し,天王となった。1853年南京を占領,ここを首都天京と号し,「滅満興漢」を唱えた。天朝田畝 (てんちようでんぽ) 制度を制定し,アヘン辮髪 (べんぱつ) ・纒足 (てんそく) も禁止した。しかし華北遠征に失敗し,宗教政治の行きづまりで専制的となり,幹部間の内紛や郷勇・常勝軍によって前途をはばまれ,天京の陥落直前に自殺(病死ともいわれる)した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

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