浅葱・浅黄(読み)あさぎ

精選版 日本国語大辞典 「浅葱・浅黄」の意味・読み・例文・類語

あさ‐ぎ【浅葱・浅黄】

〘名〙
[一] (薄いネギの葉の色の意。葱を黄と混同して浅黄と書く場合も多い)
① 緑がかった薄い藍色。うすあお。しらあお。
※能因本枕(10C終)四二「二藍の直衣、指貫、あさきの帷子をぞすかし給へる」
今昔(1120頃か)二四「浅黄なる張単(はりひとへに)(あやし)の袴着て」
② (着用する袍(ほう)の色が浅葱であるところから) 六位の称。
源氏(1001‐14頃)乙女「皆おのおの加階し昇りつつおよずけあへるに、あさぎをいとからしとおもはれたるに、心ぐるしく侍るなり」
※雑俳・柳多留‐八(1773)「シテワキで浅黄の通る花の山」
※鹿苑日録‐慶長一一年(1606)三月二八日「菓子縁高、〈柿、羊肝、饅頭、柿、油餠〉御器何もあさき」
⑥ ひかえめにあっさりすること。また、そのさま。
浄瑠璃心中重井筒(1707)上「何ごともさらりっとあさぎにいふていよいやい」
⑦ 不粋であること。野暮
※洒落本・風俗問答(1776)「女郎も本は素人なり、粋も本は浅黄(アサキ)なり」
[二] (浅黄)
① 浅く染めた黄色。
延喜式(927)一四「雑染用度〈略〉浅黄綾一疋〈略〉苅安草大三斤八両、灰一斗二升、薪卅斤」
※歌林四季物語(1686)四「みあれ山の桜は、あさぎなるもありて、しかもおそく咲きそろへば、ことやうの見ものなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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