日本大百科全書(ニッポニカ) 「消去(数学)」の意味・わかりやすい解説
消去(数学)
しょうきょ
一般に複数の等式から、それら等式に共通に現れる文字(記号)を含まない関係式を導くことを、この文字を消去するという。たとえば、二つの二元一次方程式を連立させたとき、各方程式からxをyで表し、それらを等置すれば、xを消去したyの方程式が得られる。また、三つの二元一次方程式を連立させたとき、始めの2式からx、yを求め、これらを第3式のx、yに代入すると、x、yを消去した係数だけの関係式(係数からつくられた行列式がゼロに等しい)が得られる。
二つの二次方程式
x2+ax+b=0, x2+cx+d=0
が共通根をもつための必要十分条件は、
R=b2-abc+(a2-2b)d+bc2-acd+d2=0
である。このRをこれら方程式の終結式という。Rを求めることをxを消去するという。一般に二つの方程式の終結式を行列式で表す方法をシルベスターの消去法という。
[竹内芳男]