涼・清(読み)すずしむ

精選版 日本国語大辞典 「涼・清」の意味・読み・例文・類語

すずし‐・む【涼・清】

[1] 〘他マ下二〙
① 涼しくする。
御伽草子・二十四孝(室町末)「されば夏の極めて暑き折には、枕や座を扇(あふ)ひですずしめて」
② 心を静めさせて慰める。気持よくさせる。すがすがしくさせる。
謡曲・輪蔵(1541頃)「いでいでさらば歌ひ舞うて、紅梅殿をすずしめん」
③ 清める。祭事を行なって神をなぐさめる。
※謡曲・高砂(1430頃)「久しき代々の神かぐら、夜の鼓の拍子を揃へてすずしめ給へ、みやづこたち」
[2] 〘自マ四〙 心が静まる。気分が慰む
※奏進法語(1492)「御気も能すずしみ候はん時は」

すずしめ【涼・清】

〘名〙 (動詞「すずしむ(涼)」の連用形名詞化) 神慮を鎮(しず)めること。また、そのための神楽(かぐら)など。
※謡曲・蟻通(1430頃)「社頭を見ればともし火もなくすずしめの声も聞こえず」
浮世草子男色大鑑(1687)八「先(まづ)すずしめの神楽(かぐら)仕合の木工兵衛に小語(ささやき)て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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