清・浄(読み)きよめ

精選版 日本国語大辞典 「清・浄」の意味・読み・例文・類語

きよめ【清・浄】

〘名〙 (動詞「きよめる(清)」の連用形名詞化)
① (━する) 清めること。けがれやよごれを取り除くこと。
落窪(10C後)二「ここにはしばしは住まじ。二条の殿に住まん。いきて格子あげさせよ、きよめせよ」
不浄を取り除くもの。水、火、塩など。現在では「おきよめ」の形で、葬儀の参会者に配る塩についていうことが多い。
義経記(室町中か)七「かねて言はぬ事か、滌がずは祈れ。きよめには物が多く要らんずるぞ」
③ 不浄のもの、特に動物死体などをとりかたづけることを業とした者を指していった語。
台記‐久寿元年(1154)四月二日「依私宅、為其所、未死之時、語清目、令郭外畢」

きよ・める【清・浄】

〘他マ下一〙 きよ・む 〘他マ下二〙
① けがれやよごれをとり除く。清浄にする。きれいにする。
万葉(8C後)二〇・四四六五「ちはやぶる 神を言向け まつろはぬ 人をも和し 掃き伎欲米(キヨメ) 仕へ奉りて」
② 罪の汚名恥辱など、心の不快を取り除く。すすぐ。はらす。
書紀(720)雄略三年四月(図書寮本訓)「皇女の屍を得たり。割(さ)いて之を見れば、腹の中に物有りて水の如し。水の中に石有り。枳莒喩、斯に由りて、子の罪を雪(キヨムル)こと得たり」
③ 聖なる用にあてるため、人や物をえらびわける。
旧約全書(1888)出埃及記「人と畜とを論(いは)ず凡てイスラエル子孫の中の始て生れたる首生(うひご)をば皆聖別(キヨメ)て我に帰せしむべし是わが所属なればなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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