清原良賢(読み)きよはらよしかた

改訂新版 世界大百科事典 「清原良賢」の意味・わかりやすい解説

清原良賢 (きよはらよしかた)
生没年:?-1432(永享4)

室町前期の公家学者。父は大外記宗季。大膳大夫主税頭少納言,大外記等を歴任明経道(みようぎようどう)を家学とする清原家は,長らく伝統的な古注によっていたが,良賢のときに新義を取り入れて家学を発展させた。1397年(応永4)出家して常宗と号し,1432年10月没した。1444年(文安1)従三位を贈位されたが,これは〈当道初例也〉と清原家にとっては名誉なことであった。
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朝日日本歴史人物事典 「清原良賢」の解説

清原良賢

没年:永享4.10.29(1432.11.21)
生年:生年不詳
南北朝期の儒学者。清原宗季の子。号は文翁。大膳大夫,主税頭,主水正を経て少納言,大外記に任じられ明経博士となり,内昇殿を許され,後光厳・後円融・後小松天皇の歴代侍読として家学を興し,応永4(1397)年剃髪。法名常宗。古注を根幹とし新注を加味して儒典を講じ,『古文尚書』と『毛詩』の講釈を得意とし,趙註孟子の篇叙を初めて講誦した。称光天皇宸筆の論語抄は子の頼季の講とされるが,良賢の説によっており,初期抄物の形態として貴重である。十三回忌の文安1(1444)年10月に従三位を追贈された。

(山崎誠)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「清原良賢」の解説

清原良賢 きよはらの-よしかた

?-1432 南北朝-室町時代官吏,儒者
大外記(だいげき)清原宗季の子。家学の明経(みょうぎょう)道をつぐ。大外記となって明経博士をつとめる。後光厳(ごこうごん)・後円融・後小松の3代の天皇の侍読として,新義をとりいれて儒典を講じ,家学を発展させた。永享4年10月29日死去。十三回忌に従三位を追贈された。号は文翁。

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