清水寺(きよみずでら 島根県)(読み)きよみずでら

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

清水寺(きよみずでら 島根県)
きよみずでら

島根県安来(やすぎ)市清水町にある天台宗の寺。瑞光(ずいこう)山と号し、「せいすいじ」とも称する。出雲(いずも)国第一の古寺。当寺の縁起によると、587年(用明天皇2)尊隆が山上に瑞光をみて洞穴観音(かんのん)像を発見し、この地に庵(いおり)をつくって住し、のち推古(すいこ)天皇に奏上して堂舎が建てられたと伝える。806年(大同1)盛縁(じょうえん)(726―813)が中興した。847年(承和14)、天台座主(ざす)円仁(えんにん)が密教の修法である大灌頂光明真言会(だいかんじょうこうみょうしんごんえ)を始めて以来、毎年修するのを例とし、現在も10月17日に営まれている。永禄(えいろく)年間(1558~70)兵火により本堂を除くすべての堂舎を焼失したが、毛利(もうり)家および松江藩主歴代により再建された。山内には根本堂(国重要文化財)、常念仏堂、三重塔、護摩堂(ごまどう)、開山堂、閼伽井(あかい)堂など堂舎が多い。また1972年(昭和47)に建てられた宝蔵には厄除(やくよけ)観音とよばれる十一面観音像をはじめ、弥陀(みだ)三尊、丈六阿弥陀如来(あみだにょらい)座像(以上は国重要文化財)など多くの文化財を納めている。

[塩入良道]


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