清澄寺(せいちょうじ 千葉県)(読み)せいちょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

清澄寺(せいちょうじ 千葉県)
せいちょうじ

千葉県鴨川(かもがわ)市清澄にある日蓮(にちれん)宗大本山。「きよすみでら」ともいう。千光山と号する。771年(宝亀2)不思議(ふしぎ)法師が虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を刻み安置したのに始まり、円仁(えんにん)が密教を伝えたという。円仁開創ともいう。国司源親元(ちかもと)が再興し、北条政子(ほうじょうまさこ)が輪蔵、宝塔を建てた。1233年(天福1)日蓮が12歳で入寺し、「日本第一の智者(ちしゃ)となさしめたまえ」と虚空蔵菩薩に祈り、住持道善(どうぜん)に台密を受けた。のち日蓮は鎌倉、比叡山(ひえいざん)などで学び、『法華経(ほけきょう)』が最高の経典であるとの信念をもって32歳で帰山、寺内の旭(あさひ)ノ森で朝日に向かい、初めて「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の唱題を行い、日蓮宗を立教開宗した。徳川氏の帰依(きえ)厚く、天台宗から真言宗に転じ、さらに1949年(昭和24)日蓮宗となり、管長が住職となる制度ができた。本堂前の千年杉は国の天然記念物。

[田村晃祐]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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