20世紀日本人名事典 「渡瀬 庄三郎」の解説
渡瀬 庄三郎
ワタセ ショウザブロウ
明治・大正期の動物学者 東京帝国大学理学部教授。
- 生年
- 文久2年11月11日(1862年)
- 没年
- 昭和4(1929)年3月8日
- 出身地
- 静岡県
- 学歴〔年〕
- 札幌農学校(現・北海道大学)〔明治17年〕卒
- 学位〔年〕
- Ph.D.(ジョンズ・ホプキンズ大学)〔明治23年〕,理学博士〔明治32年〕
- 経歴
- 東大動物学科撰科生を経て、明治19年渡米してジョンズ・ホプキンズ大で発生学、細胞学、組織学を研究、のちクラーク大講師、シカゴ大教授となる。ドイツのキール大でフレミング教授について細胞学を深め、32年帰国、東京帝大理科大学講師を経て、34年教授に就任。ホタル、ホタルイカなどの発光や、動物の生態・分布に関心を寄せ、屋久島・種子島と奄美諸島間の生物境界線(渡瀬線)を発見。また沖縄のハブ退治のマングース移植、キツネの養殖など応用動物学にも業績があり、天然記念物保存事業(奄美の黒兎・雷鳥など)にも尽くした。その名はホタルイカの属名Wataseniaに記念されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報