温・微温(読み)ぬるむ

精選版 日本国語大辞典 「温・微温」の意味・読み・例文・類語

ぬる・む【温・微温】

[1] 〘自マ五(四)〙
① 湯などがさめて、少しあたたかいくらいの状態になる。ぬるくなる。
※宇津保(970‐999頃)あて宮「もゆる火も泣く音(ね)にのみぞぬるみにし涙つきぬる今日のかなしさ」
気候などの変化により、水などが少しあたたかくなる。《季・春》
※宇津保(970‐999頃)祭の使「ぬるみゆく板井の清水手にくみてなほこそたのめ底はしらねど」
※めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉一「空気は総てぬるみわたりて」
病気体温が上がる。発熱する。
小町集(9C後か)「人知れぬわれが思ひに逢ぬよはみさへぬるみて思ほゆるかな」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒ぬるめる(温)

ぬるま【温・微温】

〘名〙
① ぬるいこと。びおん。
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉二五「微温(ヌルマ)になって居るが、この番茶を替りに」
② 「ぬるまゆ(微温湯)」の略。
※雑俳・川柳評万句合‐明和六(1769)松三「喰たならぬるまがあるとひゃう母いい」
③ のろま。愚鈍。鈍物
浄瑠璃大塔宮曦鎧(1723)三「気の長ゐぬるまの頭(かみ)
④ 泥をいう。
談義本・虚実馬鹿語(1771)五「泥の事をぬるまといひ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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