湯ノ湖(読み)ユノコ

デジタル大辞泉 「湯ノ湖」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐の‐こ【湯ノ湖】

栃木県日光市の西部にある湖。湯川三岳みつたけ(標高1945メートル)の溶岩流によりせき止められてできた。面積0.32平方キロメートル、最大深度12メートル、湖面標高1475メートル。マス釣りの名所日光国立公園一部で、ラムサール条約に登録されている。

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日本歴史地名大系 「湯ノ湖」の解説

湯ノ湖
ゆのこ

みつ岳と前白根まえしらね山の間にあり、三岳噴火で形成された堰止湖北西から金精こんせい沢が流入、南尻の湯滝から流れ出た湖水は湯川となって戦場せんじようヶ原へと向かう。湖名は北東部に温泉が湧出することにちなむという。南北約一キロ・東西約三〇〇メートル、湖水面積〇・二五平方キロ。最大深度は一三・五メートル。東岸にうさぎ島とよばれる半島がある。北部湯元ゆもと温泉の旅館街となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯ノ湖」の意味・わかりやすい解説

湯ノ湖
ゆのこ

栃木県日光市の西部にある湖。三岳(みつだけ)の溶岩が湯川(ゆかわ)をせき止めた結果生成した。水面の標高1478メートル、水面面積0.4平方キロメートル、周囲約3キロメートル、最大深度12.5メートル。東岸の兎(うさぎ)島半島が湖に突き出す。白根沢(しらねざわ)などから流入した土砂が北部を埋め立てて扇状地を形成している。湖の北から硫黄泉が湧出(ゆうしゅつ)し、北岸に旅館、保養所、キャンプ場などの温泉集落日光湯元温泉が立地する。湖水の環境基準はA類型に指定されている。温泉旅館などの排水は、北岸の湯元下水処理場に入り、浄化後、湖に放流される。しかし、湖盆が小さく、湖水は富栄養化して日光国立公園の環境としては好ましくない。湖水は湯滝となって流下し、湯川を通して中禅寺湖に注ぐ。

[平山光衛]


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百科事典マイペディア 「湯ノ湖」の意味・わかりやすい解説

湯ノ湖【ゆのこ】

栃木県日光市西部の堰止め湖。温泉湖とも。標高1478m,面積0.5km2。北岸に日光湯元温泉があり,湖中からも温泉が湧出。湖水は南東の高さ45mの湯滝から湯川となって中禅寺湖に注ぐ。マスなどが養殖され,釣,冬のスケートによい。日光国立公園の一部。戦場ヶ原,小田代原とともに〈奥日光の湿原〉として,2005年11月,ラムサール条約登録湿地となる。
→関連項目小田代原ラムサール条約

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯ノ湖」の意味・わかりやすい解説

湯ノ湖
ゆのこ

栃木県北西部,日光市の中禅寺湖北方にある湖。面積 0.53km2。湖面標高 1478m。最大水深 12.5m。湯川が東方の三岳 (1945m) の溶岩にせきとめられてできた湖で,湖岸線は複雑。湖水は湯滝から出て戦場ヶ原を通り,中禅寺湖に注ぐ。湖中に温泉が湧くが,冬季は結氷し,スケート場がつくられる。夏も水温 20℃をこえないためマスの養殖が行われる。北岸に日光湯元温泉がある。日光国立公園に属する。

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