満・充・盈(読み)みちる

精選版 日本国語大辞典 「満・充・盈」の意味・読み・例文・類語

み・ちる【満・充・盈】

〘自タ上一〙 み・つ 〘自タ上二〙 (四段動詞「みつ(満)」に同じ。中世以降現われた形)
満潮になる。さす。
日葡辞書(1603‐04)「シヲガ mitçuru(ミツル)
満月になる。「月が満ちる」
③ 人や物がいっぱいになる。充足する。「会場に満ちる」
小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉五「金嚢に銀貨の充ちたるはさらなり」
④ ある基準に達する。満期になる。一定の期間が経過してくぎり目の時期がくる。「任期が満ちて引退する」
※太平記(14C後)二「今二百部残りけるを、六百部に満(ミツ)る程の命を相待候て」
⑤ いっぱいに広がる。「香りが満ちる」
※源平盛衰記(14C前)七「耳に満(ミツ)る物は鳴下雷の音」
⑥ 感情や生気、雰囲気などがゆきわたる。あふれそうになる。
道草(1915)〈夏目漱石〉五八「同情に充(ミ)ちた眼を故郷の空に向けた」
[補注]現代語としては五段活用より上一段活用の方が一般的なので、連用形「みち」は本項におさめたが、打消表現には、五段活用が用いられることがある。「意に満たない」「百人に満たない」など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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