演歌・艷歌(読み)えんか

精選版 日本国語大辞典 「演歌・艷歌」の意味・読み・例文・類語

えん‐か【演歌・艷歌】

〘名〙
① (艷歌) つやっぽい歌。色気の感じられる内容の歌。
※江戸繁昌記(1832‐36)五「艷歌冶曲(やきょく)、竹を按(あん)じ糸を弾ず」
② (演歌) (演説歌の通称から出た語) 明治一〇年代(一八七七‐八六)に、自由民権思想の普及の目的で、演説を歌に変えたもの。のちには、政治活動から離れて、街頭などで、三味線、月琴、アコーディオンバイオリンなどに合わせて、悲恋心中などの人情物をうたって歌の本を売る遊芸をさすようになった。
セルロイドの塔(1959)〈三浦朱門〉四「単調なメロディを繰返す、できの悪い艷歌のような歌である〈略〉その袖をたくしあげて、顎に安バイオリンをはさむと、調子の狂ったメロディをひきながら、破れた胴間声で、悲恋の歌をうたう」
③ 日本の大衆音楽の底流をなしている流行歌。「ヨナ抜き」(四度と七度がない音階の意)と呼ばれる五音音階のメロディーを、ジャズやポップスなどの影響を受けた伴奏に乗せて、小節(こぶし)をきかせた唱法で歌う。
※古川ロッパ日記‐昭和一五年(1940)五月九日「服部の曰く、演歌調を狙ひ過ぎてゐる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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