潤・霑(読み)うるおう

精選版 日本国語大辞典 「潤・霑」の意味・読み・例文・類語

うるお・う うるほふ【潤・霑】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 湿りけを帯びる。水分を含んで生気を帯びる。しめる。ぬれる。
書紀(720)皇極四年六月(図書寮本訓)「流(いづ)る汗(あせ)身に浹(ウルほ)ひ、声乱れ、手動(わなな)く」
※行人(1912‐13)〈夏目漱石〉帰ってから「その娘さんの大きな潤(ウルホ)った眼が」
恩恵をこうむる。恵みをうける。
※書紀(720)神武即位前甲寅年(北野本訓)「而るを遼邈(とほくはるか)なる地(くに)(なを)未だ王沢(うつくしび)に霑(ウルホハ)ず」
※保元(1220頃か)上「さらば恩光にてらされ徳光にうるほひて、国も富み」
③ 乏しい状態のものが、何かのおかげで豊かになる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
青草(1914)〈近松秋江〉三「萎びてゐた自分の心が、刻々に希望のある歓びに潤うて来る」

うる・う うるふ【潤・霑】

[1] 〘自ハ四〙
① 湿りけを帯びる。ぬれる。うるおう。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九「頭べ津(ウルヒ)膩つき、夢に水白き物を見む」
② 恵みを受ける。恩恵をこうむる。
将門記承徳三年点(1099)「将門の事既に恩沢に霑(ウルヘリ)
[2] 〘他ハ下二〙 水気を含ませる。ひたす。ぬらす。うるおす。
今昔(1120頃か)四「先づ水を飲て喉を潤へよと思食(おぼしめ)すなめりと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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