炉・鑪(読み)ろ

精選版 日本国語大辞典 「炉・鑪」の意味・読み・例文・類語

ろ【炉・鑪】

〘名〙
① 床(ゆか)方形に切って火を燃やし、暖をとったり、ものを煮炊きしたりするところ。茶席で湯を沸かすためのものもいう。《季・冬》
謡曲檜垣(1430頃)「それざいせんの鼎には北渓の水を汲み、後夜の炉には南嶺の柴を焚く」
② 火ばち。手あぶり。
明月記‐治承四年(1180)九月一五日「須臾破裂如打破炉」 〔論衡逢遇
暖炉(だんろ)。ストーブ。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「僕は自づから炉を擁して眠らんのみ。唯だ冀(こひねがは)くは少しく石炭を添へよ」 〔駱賓王‐冬日宴詩〕
香炉
⑤ 物質を加熱・溶解したり、物質に化学反応を起こさせたりするために燃料を燃やす耐火性の装置。溶鉱炉溶解炉・転炉・平炉・窯(かまど)の類。
※菅家文草(900頃)二・苦熱「未炎蒸天地鑪、况行世路甚崎嶇」 〔庾信‐刀銘〕
ボイラーで燃料の燃焼する火格子の部分をいう。焚口(たきぐち)から火堰までの部分。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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