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無い・亡い ない

大辞林 第三版の解説

ない【無い・亡い】

( 形 ) [文] ク な・し
(人間や物が)存在しない。完全な非存在の場合も、ある場面に不在の場合もある。 「地獄は本当にあるか-・いか」 「ほめられて喜ばない人は-・い」 「ここに置いておいた消しゴムが-・い」 「家には相談する相手も-・い」
(事柄が)起こらない。行われない。 「今日は授業が-・い」 「この川の絶ゆること-・く/万葉集 36
(人間や事物について)所有していない。
人が財産などを所有していない。 「家も-・いし、妻子も-・い」 「今日は金が-・い」
人や物がしかるべき属性を欠いている。 「風格が-・い」 「意味の-・い行為」 「迫力の-・い時代劇」 「このパンはひからびて味が-・い」
人がある能力・経験や感覚などをそなえていない。 「学力が-・い」 「知恵も-・いし、度胸も-・い」 「いいアイディアが-・い」 「やる気が-・い」
数量・時間などを表す語を受けて、その数量や時間に達していない意を表す。 「駅まで一キロも-・い」 「試験まで一週間と-・い」
(人間が)生存していない。死んでいる。 《亡》 「今は-・い人」
他に類がない。またとない。 「その時の情けなさそうな顔といったら-・かった」 「 - ・きすきものにて、朝夕琴を指しおくことなかりけり/十訓 10
(「…こと」を受けて)
否定を表す。 「欲しくないことも-・いが、わざわざ買う気はしない」
未経験であることを表す。 「まだ食べたことが-・い」 「こんなみじめな思いをしたことは-・い」
不必要であることを表す。 「何も急ぐことは-・い」
可能性がないことを表す。 「まさか死ぬことも-・いだろう」
(補助形容詞)
形容詞・形容動詞の連用形、および一部の助動詞「だ」「たい」「らしい」などの連用形の下に付いて、その状態の打ち消しを表す。 「それほど寒く-・い」 「あまり静かでは-・い」 「顔を見たくも-・い」 「学生らしく-・い」 「ここに使はるる人にも-・きに/竹取」
動詞の連用形に助詞「て」の付いたものに付いて、「…ている」「…てある」という状態の打ち消しを表す。 「電車が全然動いて-・い」 「彼は死んで-・い」 「まだ夕食を食べて-・い」 「窓があけて-・い」
名詞の下に付いて、否定の意を表す形容詞をつくる。 「頼り-・い」 「情け-・い」
[派生] -げ ( 形動 ) -さ ( 名 )
[慣用] 罪が- ・根も葉も- ・満更でも- ・身も蓋ふたも- ・目が- / 一も二も無く ・声なき声 ・手もなく ・武士に二言なし

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報