無届け介護ハウス(読み)むとどけかいごはうす

知恵蔵mini 「無届け介護ハウス」の解説

無届け介護ハウス

法律で義務づけられた届け出を行わないまま、空き家や旧社宅などで高齢者に介護サービスを提供している有料老人ホームのこと。こうした施設では、防火設備や廊下幅・人員など国がガイドラインを設けて求めている老人ホームとしての諸条件を満たしておらず、改装費や人件費などが削られている分、一般の民間有料老人ホームより格安で入居できる。背景には、特別養護老人ホームが少なすぎ入居が極めて困難であること、民間有料老人ホームが非常に高額な一時金を取り毎月の利用料も高いところが多いことが挙げられる。2013年10月時点の無届け介護ハウスの数は、国が自治体を通し把握しただけで911カ所にのぼり、前年の2.3倍になっていた。また15年1月に公にされたNHKの調査では、東京都が把握している数の3.6倍、86カ所あることが明らかとなった。無届け介護ハウスでは虐待や事故も多く発生しており、15年1月20日、塩崎厚生労働大臣は実情に応じて届け出を指導するよう自治体に求める考えを示した。

(2015-1-23)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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