無水コハク(琥珀)酸(読み)むすいこはくさん(英語表記)succinic anhydride

改訂新版 世界大百科事典 「無水コハク(琥珀)酸」の意味・わかりやすい解説

無水コハク(琥珀)酸 (むすいこはくさん)
succinic anhydride


コハク酸の2個のカルボキシル基から1分子の水がとれた構造をもつ環式酸無水物。融点120℃,沸点261℃の無色結晶。減圧下100℃付近で昇華する。クロロホルム四塩化炭素エチルアルコールに可溶,水,エーテルに難溶。水と加熱するとコハク酸になり,アンモニアと加熱するとコハク酸イミドを生じる。ふつうコハク酸を無水酢酸塩化アセチル,オキシ塩化リンなどと加熱すると得られるが,工業的には無水マレイン酸接触水素化によって製造される。有機合成試薬として用いられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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