無花果・映日果(読み)いちじく

精選版 日本国語大辞典 「無花果・映日果」の意味・読み・例文・類語

いちじく【無花果・映日果】

〘名〙
クワ科の落葉小高木。小アジア原産で江戸初期に渡来し、各地で栽植される。高さ二~五メートル。樹皮褐色。多く分枝し、幹、枝は湾曲する。葉は掌状に三~五裂し、裏面に細毛をもつ。春から夏に倒卵形で肉厚の花嚢をつける。花嚢は中に無数の白い小さな花をもち、暗紫色か白緑色に熟し、食用となる。乾した茎、葉、実は駆虫緩下剤、下痢止めになり、液汁は疣(いぼ)、うおのめなどに効くという。とうがき。ほろろいし。《季・秋》
俳諧続猿蓑(1698)夏「無菓花や広葉にむかふ夕涼惟然〉」
② 植物「いぬびわ(犬枇杷)」の異名。〔大和本草(1709)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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