然も・而も(読み)しかも

精選版 日本国語大辞典 「然も・而も」の意味・読み・例文・類語

しか‐も【然も・而も】

[1] 〘副〙 そのように、そんなにもまあ、などの意を表わす。感動的な気持が強い。
万葉(8C後)一・一八「三輪山を然毛(しかモ)隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや」
[2] 〘接続〙 先行事柄を受けて、後続の事柄を付け加える意を表わす。それに加えて。それにもかかわらずなおその上に。それでもなお。
※彌勒上生経賛平安初期点(850頃)「実に拠りて而(しかモ)言といふは具に内院を造る」
方丈記(1212)「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
[補注]接続詞用法は、漢文訓読において、「然」「而」「爾」を「しかも」と訓読したところから生じた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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