日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼山(秋田県)」の意味・わかりやすい解説
焼山(秋田県)
やけやま
秋田県北東部、鹿角市(かづのし)と仙北市田沢湖地区の境にある活火山。秋田焼山とよばれることが多い。標高1366メートル。安山岩質の二重式成層火山。最高峰は外輪山の南西縁で、狭義にはこの峰を焼山とよぶ。同峰や黒石森(1231メートル)、栂森(つがのもり)(1349メートル)などに囲まれた、直径800メートル前後のカルデラ内に石英安山岩質溶岩円頂丘の中央火口丘鬼ヶ城(おにがじょう)がある。有史以後も鬼ヶ城で水蒸気爆発を反復し、ときには火山泥流も発生した。最近は1997年(平成9)に水蒸気爆発した。全山荒涼たる裸山で、火口湖の湯沼付近や外輪山の山麓(さんろく)は硫気孔に富む。西麓の玉川温泉、東麓の後生掛(ごしょがけ)温泉からの登山ルートがある。十和田八幡平(とわだはちまんたい)国立公園に属し、登山者やスキー客も多い。
[諏訪 彰]