煎詰(読み)せんじつめる

精選版 日本国語大辞典 「煎詰」の意味・読み・例文・類語

せんじ‐つ・める【煎詰】

〘他マ下一〙 せんじつ・む 〘他マ下二〙
極度まで煎じる。成分滋養などが出つきるまで煮つめる。
※三百則抄(1662)七「女とは、水金の類い也。水一斗を九両に煎じつむるなり」
② 内容をある一点に集中させる。凝縮させる。要約する。煮つめる。
※俳諧・七番日記‐文化一一年(1814)七月「一日に煎つめたることし哉」
③ 行きつくところまで考えを押し進める。考えを最後のところまで押し詰める。考えきわめる。
※雑俳・大福寿覚帳(1711‐16頃)「うれしさもせんじつめればなみだにて」
※艷魔伝(1891)〈幸田露伴〉「色道裏の手の修行も煎じ詰(ツメ)て論ずれば、善女となるより外の心掛なきことなり」
事態を行きづまりまで押し進める。物事終局まで進行させる。
洒落本・松登妓話(1800)二「せんじつめた今となって、過たことを思ひだすとホンニしみじみくやしうごぜへす」
歌舞伎早苗鳥伊達聞書実録先代萩)(1876)三幕「此お鶴を、廓へ売らうといふ程に煎(セン)じ詰(ツ)めたる貧乏暮し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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